人から言われた言葉をあなたはどう受け取っていますか?言葉のままに受け取る人も、言葉の裏をよんで受け取る人もいるでしょう。自分の都合のいいように受け取る人もいますね。このように、人によって言葉の受け取り方も違います。

相手から文句や苦情を言われたり、注意をされたりすると、なかなか気持ちいいものではありませんよね?落ち込んだり、怒ったり、悲しんだり。言われた言葉のままを捉えてしまうと、マイナスの感情ばかりが浮かんでくるはずです。

相手が分かってない!
あ?!むしゃくしゃする!!
そこまで言わなくても……
こんな風に思ってしまうと思います。しかし、相手から言われた注意や苦情・文句の本当の意味を知った時、今までマイナスの感情として捉えていたことが、今度は逆転してプラスの感情として捉えられるようになります。

「言葉をそのままの意味をメッセージとして捉える」「言葉の奥に隠された意味をメッセージとして捉える」このように、言葉をどう捉えるかによって、相手から言われた文句や注意の意味が変わってくるようになるのです。

言葉の捉え方が変わるようになれば、人生も変わってきます。今まで人から言われた言葉が悩みになっていたのが、言葉の捉え方を変えることで、悩みにならなくなるのです。

今回のお悩み解決シリーズは「心を変える編」心を変える法則2つ目「人間関係単位で心を変える法則」をご紹介。第2弾として、文句や苦情・注意の捉え方「財産化の法則」をテーマにお届けします。

問題を自分の力に

今、直面している問題を財産に変えられたらどんなに楽しいでしょうか。一見自分にとって不利である出来事を、悩みの種ではなく、エネルギーや課題に変え「自分の力」として捉えられたら、とても素晴らしい人生になります。

「そんなの難しいよ。あの上司の態度を見たら」
「うちの主人はとても乱暴だから」
「あの客には、いつも迷惑してるんだ」

そう思われた方もいるかと思います。

では質問します。努力なしに、ものごとがトントン拍子に進むことが良いことなのでしょうか?じつはそうとは限りません。ものごとが思った以上にうまくいったり、お金が儲かったりした場合、

「俺の力は凄いんだ」
「俺のやることはうまくいくから、いつでも正しいんだ」

という錯覚に陥ってしまう恐れがあるからです。その結果、相手を自分の考えにはめ込もうとしてしまいます。

とくに正義感が強い人は、その傾向が強いので、気をつけたほうがいいかもしれません。一度「自分は正しい」と思っている考えを整理してみると、自分の考えにはめ込もうとしているのが、とても明確になります。

現在から過去にさかのぼって書き出してみると、思い込みの強さに驚くことでしょう。

「あの上司はダメだから分かってない…」
「あの人は何も考えてないんだ…」
「このお客さんは私の商品の価値を理解できてない…」

このように「相手ができてないから…」「相手が悪いから…」と思ったりしていませんか?

世の中の問題は、「相手を変えたい」「相手が悪い」という思い込みが原因になっていることが少なくありません。

「これこそが正しい」という思い込みが強いために、お互いに「自分が正しい」と言って争いになってしまうのです。

結論を言うと、相手は思いどおりになりません。たとえ自分の方が正しいと思わせたところで、思わせてしかいないのです。相手に思わせるということは、相手に苦しみの割合が増えて、自分の苦しみの割合が減るだけです。

これでは問題の解決になりません。明日には、苦しみの割合があなたの方に増えてる可能性もあります。

それではどうしたら良いのか?人と人とは分かりあえることはないの?と思われるかも知れませんが、大丈夫です。

相手は思いどおりにならないけれど、自分は思いどおりになります。自分を変えることはできます。あなたがちょっと意識を変えればいいのです。

悪い言葉はあなたへの大事なメッセージ

まず相手を受け入れる気持ちを持ってみてください。

「ありがとうございます」と、受け入れてみてください。とくに注意をされたときは、効果絶大です。

自分のことを変えられるきっかけになるからです。注意をされたり、文句を言われたりすることは、大変な財産です。

注意や文句は、あなたに関心を持っているから言ってもらえます。まったく知らない隣町の人からは、注意も何もありませんよね。関心があるから注意されるのです。

じつは、注意や文句の奥に、「あなたのことが大好きだ。だからあなたに幸せになってもらいたい」という愛があるのです。このことは【財産化の法則】で理解できます。

たとえば、あなたがコックさんで、自分の料理に対してお客さんから文句を言われたとします。

「このまずい料理はなんだ」あるいは「何だ、その態度は!」と言われた。

その場合も何か原因があるから文句を言われたのです。

そして、そのときにあなたは、まさに分岐点に立っています。

「うるせー客だなあ。メシくらいでごちゃごちゃ言いやがって」と受け取るのか。

それとも、「ありがたい。このままだったらどこかで大失敗していた。それが早くわかって良かった。何てありがたいんだ!」と受け取るのか。

前者のように「相手からの文句」と捉える場合なら、進歩はそこで止まります。

もちろん段階はありますが、最終的に後者のように「相手からのメッセージ」として受け取ったら、一つチャンスが訪れます。何が原因なのか、事実を解明できるようになるのです。

悪かった原因を自分で解明できる力がつきます。「よし、良いものにしよう!」というエネルギーと、今後の自分の課題が見えてきます。何が悪くて、何に気をつければよいかがわかってきますから、どんどん楽しくなる。

たとえば「料理が遅い」と言われれば、「早く」すればよい。
「しょっぱい」と言われれば味を、「薄く」する。
「愛想が悪い」と言われれば、「愛想を良く」する。
すると、料理もおいしくなるし、サービスも良くなる。

前回、あなたを激しく罵倒したお客さんと同じように、別の味覚の厳しいお客さんがきても大丈夫。むしろ、どんどんお客さんは増える。

そして、かりに文句を言われることがあっても、以前よりずっとレベルの高い内容になっている。どんどんレベルアップできて、みんなから喜ばれる。

厳しく非難されたことが、とても大きな財産を築くきっかけになるということです。

言葉の捉え方を変えると、自分のための財産となる

悩み解決シリーズ6話でご紹介した【標識の法則】と同じように、相手の言葉は、あなたへの道しるべであり、メッセージなのです。そのメッセージを「文句」として捉えるのか「感謝」として捉えるのか、どう捉えるかによって、言葉の意味は変わってきます。

人から言われる注意や文句といったネガティブな言葉も、捉え方一つで、自分を成長させる「財産」になる。しかも「財産」の仕入れ値は無料(タダ)です。

これが、悩みを一瞬にして貴重な財産に変えてしまう【財産化の法則】です。

文句を言われたら、その場では、落ち込んだり、悲しくなったりするかも知れません。一週間引きずってしまうかも知れませんね。でも、その期間を少しづつでも短くできるよう。

一週間だったのが、3日になるかもしれません。3日だったのが、1時間になるかもしれません。このように、少しづつでも自分の「財産」として受け取れるようにしてみてはいかがでしょうか?

次は、「人生の壁にぶつかった時、あなたの目の前には新しい入口が開かれている」です。