今回のお悩み解決シリーズは「心を変える編」をテーマにお届けします。

前回は「自分を変える」がテーマでしたが、今回も引き続きそのテーマを引き継ぎつつ、実際にどうやって自分を変えれば良いのかを説明させていただきます。

まずは、「自分を変える」として「心を変える編」

心とは、目に見えるものでも、数値で表せるものでもありません。しかし、心に悩みや問題があると、それが表面的に出てきます。ただ、表面的に出たとしても自分で見えるものではありません。だとしたらどうすれば良いのか?

もちろん、表面的に出てきた自分の心を見る方法があります。一体どうやったら自分の心の問題が見えるようになるのか?を今回はお話していきます。

心を変える

ここでの「心を変える」とは、「視点を変える」ということです。 ものごとは、それを見る視点によって、さまざまにその見え方が変わります。

悩みも同じです。視点によって、まったく姿を変えてしまうのです。
それどころか、悩みだと思っていたことが、視点を変えると、自分にとって、とても素晴らしいことになってしまうことすらあるのです。視点を変えるというのは、お悩み解決シリーズ第1話「悩みを見る五つの視点」をさらに深めたものです。悩みを見るための互いに異なった視点を含んだ法則を、当記事より数回に分けていくつかご紹介します。

これらの法則を使うと、それぞれの視点から、悩みのいろいろな側面が明確になり「悩みの奥の知られざる真実」が明らかになってきます。このあと視点を変えることで、「悩みの奥の真実」または「悩みの意味」を知る。 それだけで、解決する悩みもあるはずです。

心を変える3つの法則

心を変える法則は大きく3つに分かれます。

1つは、自分単位で心を変える法則
2つは、人間関係の単位で心を変える法則
3つは、人生の単位で心を変える法則

以上の3種類の単位から心を変える、つまり視点を変える法則を紹介しているのです。この記事では、心を変える法則1つ目「自分単位で心を変える法則」をご紹介していきます。また「自分単位で心を変える法則」の中でもさらに3つの法則が存在します。

今回は3つの法則の中から「心を変える」第一歩、「鏡の法則」について、お話しさせていただきます。

鏡に映る姿

「あの人が、もっとこういう性格になってくれたらなあ」
「部長が、もっと部下の話を聞いてくれる人だったらいいのに」
「うちの旦那は、もっと家族のことを考えてくれてもいいのに」

このように、誰でも自分を悩ませている周りの人に、何とか変わって欲しいと思うことがあるものです。
では、その人たちに変わってもらうには、どうしたらよいでしょうか? それには、とっておきの方法があります。

とっておきの方法とは、例えていうなら「鏡」に映るあなたの姿を変えることと同じです。
あなたが鏡を見て「ニコッ」としたら、鏡も「ニコッ」とそのまま返ってきます。
鏡に「ニコッ」と微笑んでも、鏡に映ったあなたの顔がムスッとしていたら怖いですよね?(笑)

あなたの状況も、その鏡に映ったあなたと同じです。

じつは、あなたから見た周囲の環境や他人は、あなたの「心の鏡」だということです。
あなたが見ている、出来事や他人に感じていることは、全部あなたの心に起きていることだからです。
「ニコッ」としたら、そのまんまそっくり返ってこなくても、相手の心は 「ニコッ」としているはずです。 その心が、やがて「ニコッ」という表情にあらわれてきます。 だから、「ニコッ」が返ってきているのです。

怒りの顔をすれば、多少時間差があっても、相手も怒りの顔にまもなくなってきます。まさに鏡のよう。
ぜひ、周囲の人に「ニコッ」と微笑みかけてください。 これは、人間関係の基本中の基本です。 これをすれば、それだけで、あなたの人間関係は格段に良くなります。

鏡の法則の意味

他人は、自分の心の「鏡」です。なので、他人の様子を見ることで、自分の心の状態を知ることができます。

仏教の世界に、三界唯心(さんがいゆいしん)という言葉があります。 これは、私たちの認識する世界はすべて、私たちの心が作り出したもので あるという意味です。

世界は、心の内容をそのまま映し出したもの、心の鏡だと言っているのです。

そして、他人という「鏡」によって、自分の心の状態がわかれば、自分のどこを改善すればよいのかがわかります。

たとえば、あなたが化粧室に入って、鏡に映った自分の顔を見る。すると、あなたの顔の状態がわかります。

汚れているかもしれないし、化粧が崩れているかもしれない。顔が汚れていたり、化粧が崩れていたりするのを見たあと、あなたはそのままの状態で化粧室を出て行きますか?

そんなことはしませんよね。
汚れていればハンカチで拭くでしょうし、化粧が崩れていれば直すでしょう。

その結果として、汚れが取れる。化粧が直る。これも鏡で確認できます。

「このように他人という「鏡」を、自分を改善するために活用することができます。

格言にある「人の振り見て我が振り直せ」を実践することは、心の悩みや問題から見ても非常に有効なのです。

鏡の法則には多少の時間差がある

ふだん生活する中で、目の前の人の言動によって、嫌な気分になることはよくあります。 そんなときに「鏡の法則」を思い出してみてください。

相手に対して嫌だなと感じることは、自分の中の欠けている部分、直したほうがよい部分を映し出しているのです。

相手にネガティブな感情を持ったときには、それを相手にぶつけても仕方がありません。 それは、自分自身を改善するための貴重な情報です。貴重な情報だよ分かれば、ポジティブな感情として受け取ることもできます。

ただし、ここで、他人という心の「鏡」について、一つ気をつけなければいけないことがあります。

それは、普通の鏡は瞬時に変わるけれど、心の鏡には、多少時間差があるということです。「ニコッ」としたのに鏡のようにすぐに「ニコッ」っとしてくれないじゃないか!ということもありますが、時間をおいて心の鏡にも映るようになってきます。

だから、相手がすぐに変わらないからといって、あきらめないことが重要です。これは法則ですから、ある程度の期間つづけていれば、必ず変わってきます。

あなたから変わることなく、相手に変わることを期待しているだけでは、いつまでたっても状況は良くなりません。

鏡から先に微笑みかけてはこないのです。
あなたが微笑むから、鏡も微笑むのです。これが「鏡の法則」になります。

まずは第一歩を

悩みを解決する方法として「自分を変える」ことの第一段階として「心を変える」その第一歩として「鏡の法則」をご紹介しました。

相手が浮かない表情をしているのは、鏡に映ったあなた自身の顔。相手を変えたい!変わってほしい!と思っていると、どうしてもあなた自身の表情もこわばっていたり、曇っていたりするものです。そんな表情をしていたら、相手の表情もこわばったり、曇ったりしているものです。これも「鏡の法則」です。

相手が浮かない表情をしているのは、鏡に映ったあなた自身の顔。相手の笑顔も、鏡に映ったあなた自身の顔。

あなた自身が変わることで、相手の表情を変えることができます。その第一歩である「鏡の法則」を、ぜひあなたの人生にとりいれてみてはいかがでしょうか。

実はこの「鏡の法則」を超える法則もあるのですが、それはまた別の機会にご紹介させていただきます。

次回は「心を変える編」第2弾「心のハンドルの法則」をテーマにお話していきます。